そこ、hyphen

これはコトバですか?

はつはる

寝て起きたら2017年だった。

去年はブログをあまり更新しないまんまの1年となりまして、ゼロみたいなところから再び更新するのってめんどいような、そうでないような、感じのところにいるんですけど、やっぱり書いとかないとなあみたいなことを強く思いまして、書くなり。

できればここしばらくずっとやっている短歌のことを書いていきたいとは思っているのですが、5757757577って指折り数えていると、だんだん、575577557577みたいな感じになってきたりもするので、飽きない程度にやろうとは思っています。

ここしばらく興味があるのは、コンテンツの魅力をどう切り開いていくかみたいなところにありまして、それを広報と言ったり営業と言ったりするんだろうか。

作る人と享受する人とその間をつなぐ人。

つなぐ面白さみたいなところを掘り下げていく1年にしたいです。

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第14回短歌の目・12月--かしこいきみなら

tankanome.hateblo.jp

2016年詠み納めです。よろしくお願いします。

題詠

1. おでん

おでんしづかにあたためられてもう玉子茶色く染まる二日目の鍋

2. 自由

強風に声は消えてもはつきりと口動かして自由だといふ

3.

忘れんでくださいね でも 忘れても誰も怒りはしませんけんね

4. 指切り

守れないから指切りを交はしてる、かしこいきみならわかることだよ

5.

神様はふらふらただよふ幽霊と見分けがつかないくらいの早さで

テーマ詠

ばあちやんが何度も同じ話してみかんの皮で咲かせたる花

 

2017年も参加継続できるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします!

第12回短歌の目・10月――尾ひれをつけて

 

tankanome.hateblo.jp

題詠

1. 渋

渋谷区の犬の話に少しずつ尾ひれをつけて放つたそがれ

2. 容

容量をはかり終えたらいろはすのペットボトルはべこべこにして

3. テスト

しらじらとテスト用紙をめくりゆく監督者の粗き網タイツ

4. 新米

新米をよそうお碗の冷え冷えとしている温度、台所の床

5. 野分

あめつちを駆ける野分をのぞむ窓一枚分の震えにふれる

テーマ詠「空」

  • 汚れだと爪で掻きたる黒点の小ささまでも空に飛ぶ鳥

  • 垂直におりたる光やはらかく注ぐといふより突き刺すやうな

  • 電線をキリトリ線に見立ててはまだ見ぬ街を空と隔てた

  • 雲を避け飛行したがる指示のこと話し尽くせぬ管制官の友

  • 早朝に碇失う船の帆を安全ピンにて空ごと留める

一歌談欒 Vol.1

dottoharai.hatenablog.com

参加させていただきます。よろしくお願いいたします。

課題歌

おめんとか
具体的には日焼け止め
へやをでることはなにかつけること (今橋愛)

部屋を出るのに何かつけるというのは当たり前の行為で、何も身につけず部屋を出ることはほとんど不可能である。

けれでも歌の中で身につけるアイテムとして提示されているのは「おめん」という滅多に身につけることのないようなアイテムだったり、そうかと思えば「具体的」な日焼け止めであったり、なんだかちぐはぐした印象が与えられる。

ただごと歌っぽいようでいて、ただごと歌が引き出すワンダーや発見よりも、もっとミステリアスな感覚を覚える。

そこでもっともらしい「へやをでることはなにかつけること」という下の句に目をむけてみると、2つのことに気づく。

  1. なにか「つける」こと
  2. 全てひらがなで表記されていること

歌の中では、部屋を出るときに身に「つける」アイテムとして「おめん」や「日焼け止め」が選ばれているが、これらのアイテムが担う役割は身につけるものの中でも「外界と私を遮断する」というところに本質がある。

お面は被れば顔を隠してくれるし、日焼け止めは紫外線から肌を守ってくれる。

そもそも部屋にいること自体、外と〈私〉が遮断されていることである。

だからこそ部屋を出て、外にさらされるときには、アイテムによって〈私〉を守らなければならない。 

しかし最もらしいことで歌を締めくくりながら、読者に与えられるのは歌の意味をいまいち処理できていない感覚や、自分を外から守ろうとするにはあまりにも現実的でないような佇まいである。

とりわけその印象を強めるのはこのひらがな表記である。

ひらがなで表記すると、どことなく嘘っぽいというか、現実世界に即していないような浮遊感を感じられることがある。

それは初句の「おめんとか」にも表れていて、おめんは「お面」と表記されてもよかったはずなのにあえて開いているのだと思う。

実は「へやをでることはなにかつけること」というのは、フィクショナルな思い込み、あるいは表層的なことなのかもしれない。

もっとも冒頭でも少し触れたように、何も身につけずに外出することは不可能である。一方で〈私〉を完全に外と遮断してしまうことも不可能であって、その衝突の中で、唯一「具体的に」とれる策がおそらく「日焼け止め」を塗ること。

おめんとか
(具体的には日焼け止め) 
へやをでることはなにかつけること

個人的には、2〜3句目をカッコに入れてしまうと、歌の中における世界観の境界のようなものが見えてくる気がする。

現実的でないことを現実的でないと把握しながら、一方で具体的な方策で抗おうとする姿勢を紛れ込ませた歌なのではないだろうか。

第11回短歌の目・9月――だいこん、しゅんでる

tankanome.hateblo.jp

祝・短歌の目再開!参加いたします!よろしくお願いいたします!

題詠

  1. 星くずにまみれる魔法となるときハッピーターンの粉の散り散り


  2. かざぐるま吹けども止まる  あおあおと届かぬ空の真昼は微風

  3. はちみつ
    はちみつのあぶくのまるみはたえかねてきえる、硝子のそれとはちがって


  4. 川崎の先っちょだけど千切りか短冊切りのどちらがええかね

  5. 秋刀魚
    細やかにほぐせど離れぬ身を惜しみ秋刀魚の骨を一人しがんだ
テーマ詠「秋」
  • 店頭のおでんしゆんでるだいこんも70円で掬い出す秋

  • しらたきも70円で牛すじも70円でよかつただろうか

  • コンビニのパンプキンパイ新発売 毎年毎年同じ顔見る

  • 栗ごはんないんだつたら栗おこわ食べればいいのよ、ほらチンをして

  • 狼の遠吠えがある満月に2度ほおばったチロルチョコ(餅入り)

 

引用スターしていただけるとよろこびます!どうぞよろしくお願いいたします!

乱題詠・7月その2


tuchinocoe.hatenablog.jp

後半!


 6.上げる

みっちりと棚に詰めればまたしまい忘れて上げておく棚のうえ


7.童

児童館閉鎖のお知らせ「リニューアル後にはキッズセンターへ変わります」


8.ランド

蛍光灯一つは必ず切れていてそれでも回るコインランドリー


9.橘

柑橘の皮の苦味にうろたえて幼な子うぇぇあぺっと吐き出す


10.真

明かされることなき真理のごとく立ち上がる被写界深度という語のあり

乱題詠・7月その1

tuchinocoe.hatenablog.jp

九月かよ……。ひとまず5首です。

 

1. 鉄

鉄ペンと呼ばれています。ええ、万年筆のペン先は金で

 

2.報

延々と終わりがなくて切るだけを残すばかりの電話の時報

 

3.うむ

かりうむを含んだばななを食い終えてかろちん含むニンジンを食う

 

4.ために

誰がために告げる言葉か我がために告げることではないことは確かか

 

5.湾

知らんテロ知らん戦争知らんことばかりの私にはきれいな湾岸